1947-12-08 第1回国会 参議院 鉱工業委員会 第29号
官僚でもいかん、資本家炭鑛主でもいかん、殘つたものはこれだけである。私は更に申したい。こういうことを申すのはこの三十年來世界の經驗をみますと、如何なるどん底におつこつた國でも勤勞者が政治に對する信用を持ち、即ち政治當局者が國の利益だというと全般の利益を顧みないようなことはない。この絶對の信用。これであつてこそ國が興きる。この三十年間の歴史がこれを證明しております。
官僚でもいかん、資本家炭鑛主でもいかん、殘つたものはこれだけである。私は更に申したい。こういうことを申すのはこの三十年來世界の經驗をみますと、如何なるどん底におつこつた國でも勤勞者が政治に對する信用を持ち、即ち政治當局者が國の利益だというと全般の利益を顧みないようなことはない。この絶對の信用。これであつてこそ國が興きる。この三十年間の歴史がこれを證明しております。
それから個々に錯綜しておるところの炭鑛主の鑛區というものを全體に亙り整理統合して、これを國營に移すべきである、と同時に又これは從來の官僚統制ではなしに、本當に勤勞者が總意總力を發揮できるようにさせる。即ち人民管理に移すべきである、修正案はこういう趣旨のものであります。それでこの修正案は相當長く記述されております。
それに今この終戰後二ケ年間、炭鑛主は國家から百七十億臺の資金を注ぎ込まれておるに拘わらず石炭は堀れない、堀れない、資材はないし、資金はない、そういうことで全くその經營が無能力だ。今日の日本の危機に際して全く無能だ。それを實證しております、にも拘わらずこの本案はもう落第した炭鑛主と、そうして生産主義と、墮落とに陷つておる官僚との狎れ合いを、ここにこの案によつて激成しておるものであります。
實際は修正案においては原案になかつた炭鑛主側の立場というものは相當大幅に自由になされて來ておるのであります。それに拘わらず先程も他の委員からも申されたこの法案の最も重要な點だと思われる生産協議會、それの地位というものは段々狭められておる。現場管理者の地位も弱められら來ておる。それでこういう變化があるにも拘わらず、水谷君が原案とは質的にそう變つていないと言われるのは、解し兼ねるのであります。